こんばんは、ayacoです。
今日は、思い出話。付き合ってもらえるとうれしいです。
14年前、友人2人と私、それから6歳の娘とで焼肉に行ったときのこと。
結婚線の話で盛り上がっていました。友人A子とB男、そして私。
「私、2本ある!」「A子は1本ある!結婚できるかもね〜」なんて、他愛もない会話を楽しんでいたんです。
するとB男が言いました。
「え?おれ、結婚線ないかも…」
「嘘でしょ?見せて!」と私たちはB男の手を覗き込みました。
すると、本当にツルツル!結婚線どころか、シワもない!
「ホントだ〜!結婚線ってない人もいるんだね〜」
なんて笑い合いながら、その夜は楽しく過ごしました。
B男は年に1〜2回ほど旅行で遊びに来てくれる友人で、シングルで娘を育てていた私をいつも気遣ってくれる優しい人でした。
娘と私をディズニーランドに連れて行ってくれたこともあります。
そんなB男のことを、A子は「あんた、あんなにいい人いないよ!」と、いつも私に勧めていました。
そんなつもりはまったくなかったのですが、その年、彼を空港まで見送りに行ったときのこと。
B男は少し照れくさそうに言いました。
「ayacoちゃん、娘ちゃんとオレとで、一緒に暮らさない?」
一度失敗している私にとって、他県での生活は少し怖かった。
今の暮らしを手放す勇気もなく、不安が勝ってしまったのです。
そんな気持ちを隠すように、
「何言ってるー!ありがとう!」と、冗談っぽく笑って断りました。
彼もまた、少しはにかんだ笑いを浮かべて、
「考えててね」と言い残し、帰っていきました。
そして、1年後の9月。
いよいよ明日、彼が遊びに来るという日。
私は彼に内緒で有給を取り、空港まで迎えに行くつもりでいました。
その夜、明日の予定などを話そうと、携帯に何度か連絡しましたが――全くつながりません。
数時間後、着信がありました。
出てみると、女性の声。
「ayacoちゃん?」
「??はい、そうです。」
「私、B男のお姉ちゃんだよ。」
「???」
「ごめんね、突然。B男、今日の午前中に亡くなったの。」
「???」
「??????」
頭が真っ白になりました。
今でも思い出すと、胸が苦しくなります。
彼は朝、仕事で現場に向かう途中、運転手の誤操作により、車ごと70メートルの崖から転落してしまったのです。
運転していた同僚は怪我をしましたが、一命はとりとめました。
その車には数名が乗っていたのですが、後部座席にいた彼は窓ガラスから飛び出してしまい、全身を強打したとのことでした。
少しの間は意識もあり、病院でも必死に頑張っていたと聞きました。
「明日、お通夜があるんだけど、B男に会いに来てくれる?B男から、ayacoちゃんの話を聞いていたから連絡したの」
私はすぐにチケットを予約し、寝ていた娘を起こして事情を説明しました。
娘も静かに頷き、次の日、一緒に彼の地元へ向かいました。
今でも鮮明に覚えています。
横になって寝ているようにしか見えない彼の隣で、朝まで一緒に過ごしました。
彼とは7年ほど付き合いましたが、儚いというより、濃密な7年間でした。
29歳で虹の橋を渡った彼は、30歳になることもなく…。
あれから14年、私は44歳になりました。
11月16日は彼の誕生日。
生きていれば44歳。毎年この月になると、思い出してはいろいろ考えてしまいます。
その後数年間、携帯番号は残したままでした。

もう、永遠に29歳の彼がうらやましい。
私はすっかり中年になって、あちこち体にサビが出てきています(笑)。
当時コールセンターで働いていた私。
今はトレーラー運転手になったけれど、彼は「ayacoちゃん、たくましくなったね」と思うかしら?
お読みいただき、ありがとうございました。
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