先日購入した一冊の書籍を読んでいると、ふと心に残る言葉が目に留まりました。
「子育ての最大の試練は子離れ」
この一文を読んだ瞬間、数年前の出来事が頭をよぎりました。
娘のことです。
当時の私は、子育てについて本を読んだり勉強したりする余裕もなく、ただひたすら「働くことが家族を守る唯一の手段」だと信じていました。
仕事では覚えることも多く、不慣れな業務に追われる日々。ストレスで背中に蕁麻疹が出たこともありました。
毎朝4時半に家を出て、夕方帰宅する頃には疲れ果てて、娘としっかり向き合う余裕もありませんでした。
当然のように、娘との関係は徐々に悪化していきました。
遅刻や欠席が目立ち始め、学校からの連絡も週に何度も入るようになりました。
それでも、何とか高校受験には合格し、私は安堵しました。──しかし、それも束の間のことでした。
ある日、娘と大喧嘩になり、私は感情に任せて「出ていけ」と言ってしまいました。
その一言がきっかけで、娘は家出を繰り返すようになり、次第に学校にも行かなくなり、ついには中退。
3年前のある日のこと。
会社でコロナの集団感染が発生し、私も感染してしまいました。
7日間ほど、高熱と喉の激痛に苦しみながら休養していました。
その週、久しぶりに娘とまともに会話をしました。
スポーツドリンクやおかゆを買ってきてくれて、一緒にアニメを見ながら過ごす時間もありました。
なんだか、昔に戻ったような気持ちでした。
小さかった頃の、穏やかで、あたたかいあの時間に。
そんな中、突然娘が口を開きました。
「私、来週の月曜日に県外へ行く。期間社員として働きに行く予定。ママが仕事に行ってる間に出ていこうと思ってた」
頭が真っ白になりました。
ずっと、何があってもこの子とは一緒にいるものだと思い込んでいたのです。
でも、娘は私の所有物ではない。
正直に話してくれたこと、そしてこのタイミングでコロナにかかって、家で娘と過ごせていたことにさえ、感謝しました。
もしコロナに罹患していなかったら? そう思うとゾッとしました。
たぶん、止めても無駄なのは分かっていました。
娘は、一度言い出すと意外と頑固なところがあるのです。
だから、私にできることはやってあげようと思いました。
ちょうど手続きはこれからだったようで、熱が落ち着いてきた私は、一緒に準備を始めました。
必要なものを揃え、手続きを済ませ――あっという間の怒涛の7日間。
7日目の朝。空港まで見送りに行きました。
娘を見送った帰り道、私は後悔の波に呑まれていました。
これまで、どうしてもっと味方でいてあげられなかったんだろう。
なぜ何もしてあげられなかったのだろう。
寂しい思いばかり、させてしまっていたんじゃないか――。
そして、そのとき、私は本当に一人になったのだと実感しました。
書籍で語られる子育てとは、ほど遠い私の日々。
「子育てが終わったら第二の人生を」なんて考えていた、あの頃の自分を叱ってやりたい。
そんなことを思いながら帰路についた日の記憶が、今も鮮明に残っています。
書籍の中で、強く共感した言葉がありました。
子育て期間は、長い人生の中で見ればほんの一時期。こうして過ぎてしまうと、よくわかります。意外なほど短いものです。
書籍より引用
今振り返ると、本当にその通りだと思います。
あの頃は永遠に続くように思えた日々も、今ではもう過去。
手のひらからこぼれ落ちるように、子育てはいつの間にか終わっていました。
今日は、書籍を読みながら、ふと少し昔のことを思い出しました。
あの空港で見送ってから数ヶ月後、祖父が亡くなり、娘も急遽帰ってくることになりました。
久しぶりに会った娘はやせ細っていて――その姿を見た私は、思わず「戻っておいで」と声をかけていました。
それから、娘は自動車免許を取得し、ある程度身支度を整えて、再び旅立っていきました。
そこから少しずつ、二人の関係も和らいだ気がします。
今では一年に数回、娘が帰ってきて、一緒に焼肉やカラオケを楽しむこともできています。
来月は免許の更新で帰ってくる予定なので、焼肉の予約をして待っています。
完璧とは程遠い子育てで、これからも後悔を胸に抱きながら過ごすのだと思います。
それでも、これから先、もし私にできることがあるのなら、全力で力になりたいと思っています。
今も一人ではあるけれど、あのとき感じた“ひとり”とは、どこか違う気がしています。

少し懺悔めいた内容になってしまいましたが、ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。
また、書籍『未亡人26年生が教える心地よいひとり暮らし/りっつん』をまだ読んでいない方には、オススメの1冊です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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